パソコンを使わないで漢字で学ぶアンプラグドなプログラミングアクティビティを考えてみた

ルビィのぼうけんという絵本がとても面白かった。前半の絵本のパートは絵がとても可愛く、個性的なキャラにプログラミングっぽい設定を上手にお話に盛り込んでいて面白かったけど、個人的には後半のアクティビティがとても新しく目から鱗だった。パソコンの真似をするルビィにやってもらいたいことをどのように命令して言うことを聞いてもらうか考えるアクティビティなど、パソコンを使わなくてもプログラミングが学べることに非常に驚かされた。

そこで自分も簡単ではあるがパソコンを使わずにプログラミング的思考を学べるアクティビティを思いついたので書いておこうと思う。次期学習指導要領ではプログラミング的思考を他の教科の内容と組み合わせて指導するように書かれているので、今回自分が考えたものは国語+プログラミングを組み合わせたアクティビティとなっています。使う題材は漢字です。

必要なもの

  • wordで作ったものを印刷した漢字カード
  • 漢字辞典

やり方の説明

このアクティビティは命令を考える側とその命令通りに動くパソコン側に分かれて行います。

まず簡単な流れの説明をします。

漢字カードを1人に対し3~5枚ぐらい配ります。そのカードの四角いマスの部分に今まで習った漢字の中から数種類選んで書きます。

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今回は例題としてまず使・情・花・草、の4つの漢字を書きます。

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このように漢字を書き終えたら、カードを裏返してその裏に番号を1から順に書いていきます。(番号は別に書かなくてもいいかもしれません。)

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裏返し終えたら、今回は例題として「ハナ」と読む漢字だけを表にします。番号順に1枚ずつめくっていき、めくったカードが「ハナ」と読む漢字であれば表にして、それ以外は裏返しにしておきます。

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この作業が出来たら今度は人間ではなくパソコンに同じことをさせるためにはどのようにしたらよいのか?考えてみる。(ここからがアンプラグドっぽい感じになります。)

 

今のままの漢字カードだと四角いマスにしか漢字が書かれていないので、このままだとパソコンには「ハナ」という読みの漢字は一体どれなのか?理解できないと教えます。

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~という読みの漢字はこの漢字だとパソコンに理解させるためには、下の「読み」という欄に上のマスに書かれた漢字の読みを書いていき、人間が勉強するようにパソコンにもしっかりと学習させてあげます。

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他のカードの読みの部分にもその漢字の読みを書いていきます。もし漢字の読みがわからなくて読みの欄に書けない場合は、漢字辞典を使って自分で調べて読みの部分を埋めていきます。

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 読みの部分にデータを入れ終えたら、今度はパソコンに「ハナ」という読みの漢字だけを表にさせてあげるためにパソコンへの命令を考えてみます。

「もし、めくった漢字カードの読みが『ハナ』と書かれていたら表にして、違ったら裏返しにしてください。」と命令します。パソコン側は1枚1枚漢字カードをめくっていき、命令された通りに行動することで結果始めに自分でやってみた『ハナ』という漢字だけを表にする作業と同じ結果になることを確認します。

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ここまでの作業を実際に行ってみると、人間だと普通にできている『花』という漢字だけを表にするという作業が、パソコンだとこのように細かく分けられて一つ一つ作業が行われていることが理解できるのではないかと思います。

例題をある程度理解出来たら、今度は問題を変えてみることもできます。

例えば「部首が『くさかんむり』の漢字だけを表にする」のであれば、まずは部首の欄にデータを入れます。この時ももし部首がわからない漢字があれば漢字辞典で実際に調べてデータを入力していきます。

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「もし、部首がくさかんむりであれば表にして、違ったら裏返してください。」とパソコンに命令したら、このような結果になると思います。

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他にも「画数が8画以下の漢字だけを表にしてください。」「部首がにんべんかつ画数が5画以上の漢字だけを表にしてください。」などなど色々と問題を考えることもできます。もし、「~かつ~」や「~または~」の意味が分からない場合はその都度説明した方がいいかもしれません。

 

漢字の種類をうまい具合に組み合わせれば答えが複数あるような問題を作ることもできます。例えば池・洋・状・情という漢字で行うとします。

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問題が「『情』という漢字だけを表にしてください。」のであれば、パソコンに対して考える命令は「もし部首が『りっしんべん』かつ読みが『ジョウ』と読む漢字だけを表にしてください。」でもいいし、「もし画数が『11画』の漢字だけを表にしてください。」でも答えは一緒になります。このように同じ結果でもそれにたどり着く命令はいくつもあるという考えはプログラミング的思考につながるのではないかと思います。

 

以上が自分が考えた漢字を使ったアンプラグドなプログラミングアクティビティになります。学習指導要領で他教科の内容と組み合わせてプログラミングを学ぶとのことなので、一体どのように教科と組み合わせたプログラミング指導があるのか色々と考えてみたが、漢字という題材はとても面白いなと感じたのでこのようなアクティビティを考えてみました。このアクティビティを行う中で漢字辞典で漢字を調べる作業もでき、プログラミング的思考だけではなく、一つ一つの漢字に対して理解を深めることもできるのではないかと思います。

学校で先生がパソコン役となって、子供たちが考えた命令(プログラミング)通りに漢字をめくっていくのもいいし、家族や友達同士でも命令を考える側とパソコン側に役割を交代しあって遊ぶこともできます。…とは言っても、正直漢字がプログラミング授業に何となく合いそうだなぁ、という軽い気持ちで考えたアクティビティなので、実際にやってみると楽しくないかもしれないし、「もっとこうした方がいいかもしれない」といった部分があると思います。

なのでもし実際にこのアクティビティをやってみて、「ここはダメだろ!」「この辺がよくわからん」みたいな良い悪い関係なく感想があればコメントお願いします。