日本版戦隊シリーズらしさも随所に感じられた、映画『パワーレンジャー』

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戦隊シリーズ好きとしてずっと楽しみにしていた『パワーレンジャー』。名前は知っていたけれど今まで見る機会がなかったパワーレンジャーシリーズだが、今回観てみて日本版戦隊シリーズとの違いやこういう描き方があるんだなぁ、と色々発見できなから楽しめた作品だった。

 

ただあの変身アイテム?のようなものは、自分からしたらコインではなくどう見てもメダルなんだよなぁ…。

 

 

戦闘中のノリの良い挿入歌

日本では熱い熱い熱い挿入歌が戦闘シーンを盛り上げるのが定番だが、このパワーレンジャーでは妙にノリの良い洋楽が流れている中で繰り広げる戦闘シーンが印象的だった。デットプールとかでもそうだったけどアメコミ系のヒーロー映画ではこっちの演出の方が鉄板なのかな?でも、ノリの良い曲でも意外と戦いに合ってるってのは発見だったなぁ。この感覚は電王のガンフォームの戦闘スタイルにブレイクダンスを取り入れていたのと同じ感覚。

 

メンバーの多様性

これは結構驚いたし、ものすごく自然に描けているのがさすがだなぁと思った。自閉症の子がいたり、アジア人の子がいたりと多様性あるメンバーを変に意識させずにヒーローになっていく過程は日本の戦隊シリーズではなかなか見ることができない展開なのでこの描き方は上手いなぁと思った。それぞれの悩みや不安も等身大で描かれている青春群像劇もこのパワーレンジャーならではで面白く、メガレンジャーとはまた違った青春ヒーローのような感じが色々と新しかった。

今回の話ではまだまだ序章と言った感じで、それぞれのキャラクターを深く掘り下げてはいないが、色々とメンバーの個性が見えてきたら個別の話が見れたり、メンバー間での衝突があったらいいなぁ、と期待する。

今回の話でもレッドとブラックがぶつかり合ったり、どこか恋愛の匂いが漂っていたりとジェットマンっぽい展開を彷彿とさせていたので、そこにも期待したい。

 

…やっぱりなんか戦隊好きとしては、この雰囲気を見てると竜と凱のような..あんな感情のぶつかり合い・恋愛模様・そして男同士の友情・・・をレッドとブラックに期待してしまうじゃないかあ~~。(カラーも一緒だしね)

 

細かく見たら他にも発見があるかもしれないが、アルファ5のようなサポートマスコットキャラがいたり、イエローとピンクのダブルヒロインの友情や協力を感じられるシーンやロボットを使っての巨大戦など、1回見ただけでも戦隊シリーズの「らしさ」みたいなものが随所に感じられて、日本の戦隊コンテンツの文化が国を超えて海外にも受け継がれているんだと思うと感慨深くなるし、日本のヒーローのすごさや素晴らしさを改めて実感することができた。

それでいてスーツのデザイン、ヒーローになる過程、キャラクターの個性、世界観、CGを使用した演出など、この『パワーレンジャー』でしか味わえないオリジナリティある戦隊でもあるので、今後日本の戦隊とはまた違った展開がどのように見せてくれるのか非常に期待の持てる作品だった。

 

5人の心が揃わないと変身できなかったり、5人が上手に操作しないとロボットが動かなかったり、5人がお互いを知るために思いを打ち明けたりと、チームや絆の描き方やヒーローとしての心の成長もじっくり、テンポ良く見せてくれていたのが、すごく良くて、この『パワーレンジャー』でしか出せないチーム感が印象的だったぁ。

 

何か必殺技や武器を使っての戦闘があったら良かったのになぁ、とかロボットの合体シークエンスをもう少し見せてくれると嬉しかったなぁ、とか不満がないわけではないが、これから始まる序章としてはしっかりと描かれていると思った。追加戦士も匂わせているし、次はどんな風に日本の戦隊シリーズをアレンジして、さらにこのパワーレンジャーならではの展開をどのように描いてくるのか、楽しみで仕方がない。

 

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