これからAIと共存していくためには読解力という力は確かに必要になってくると思う

近ごろPISAの調査での読解力低下が新聞やメディアで話題になっている。

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私も以前はこのような調査結果がニュースなどで報道されても「へぇ~」としか思わなかったが、新井紀子著作『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』を読んでからは見方が180度変わってしまった。(AIについてもわかりやすく、できること・できないことを要点をおさえて説明されており、この点についても非常に勉強になった)

 

教科書レベルの文章が読めない子供たちが結構な割合でいるということを様々な調査やデータで検証されており、そもそも読解力が身についていないと、国語以外の教科の文章問題で何が問われているのか?ということ自体を理解していない可能性が出てきたり、これからはAIが今ある仕事を奪っていくことが明らかになってきている中で、AIには難しいとされる読解力の能力が低下していることの危惧をこの本では非常に腑に落ちる内容で説明してくれている。

 

このような「若者の読解力が低下している~」という報道がなされると、メディアなどでは「コンピューターで問題を解く形式に慣れていないからだ」「本や新聞を読まなくなったからだ」「SNSの普及で短文でのやり取りが主流になっているからだ」と、強く言い切ってしまう専門家も中にはいるが、読解力という力は何が影響して伸びるのかが今の段階ではよくわかっていないことも、上記の本では実際の調査をもとに説明されていた。

 

また、基礎的読解力のテストの例題がテレビなどで紹介されると「これは問題文が悪い」「読解力ってこういうことではないだろう」と言われる場面もよく見るが、社会に出るとほとんどの人がこのような文章に出会うことが多くなるので、「読みにくい」という理由で避けられるような問題ではないと思う。これぐらいは読み解ける力がないと、これからのAIが台頭していく未来に今のように仕事してお金を稼いで生きていくスタイルができなくなってくるのではないかと感じるようになった。

 

これから新指導要領などで学校教育が大きく変わっていく中で、この『読解力』にも注目が浴びることで様々な議論が巻き起こってくると思う。しかし、なかなか言葉ではうまく説明できないような曖昧な能力でもあるのだが、確かにこれからの時代、AIと共存していくためには必要となってくる能力であることには間違いないので、今後の変化をしっかりと見ていきたいなと思った。

 

【2019年ビジネス書大賞 大賞】AI vs. 教科書が読めない子どもたち

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